(写真は、車載用 緊急脱出ハンマー。レスキューハンマーとも呼ばれます)
ここ最近、連日のように線状降水帯や台風のニュースが流れていますが、気づけば毎年どこかで、道路冠水や車両水没、床上浸水などのニュースを目にしている様に思います。
道路冠水のニュースでタイヤの半分程度が水につかっている状況を見て、過去に最低地上高について調べましたが、今回は「渡河性能(とかせいのう)」について調べて見ました。
今回初めて渡河性能という言葉を知りましたが、その意味は「設計上の車両走行可能な深さ」となります。
車両種別を絞らずに少し調べて見ると、明確に渡河性能を記載している車両には以下の様なものがありました。
トヨタ ランドクルーザー 300,250,70 渡河性能 700mm
LEXUS GX550 オーバートレイル+ 渡河性能 700mm ※ハイブリッド車
JEEP GLADIATOR(ジープ グラディエーター) 渡河性能 762mm
冠水した道路では、水没や立往生を避けて走るに越した事はありませんが、PHEV(プラグインハイブリッド車)に絞って調べると、メーカーが公表しているデータ例としては以下の通りでした。
ランドローバー
RENGE ROVER P550e PHEV(レンジローバー) 900mm
Range Rover Sport P550e PHEV(レンジローバースポーツ) 900mm
Range Rover Velar P400e PHEV(レンジローバーヴェラール) 530mm
Range Rover Evoque P300e PHEV(レンジローバーイヴォーク) 530mm
Defender P400e PHEV(ディフェンダー) 900mm
Discovery Sport P300e PHEV(ディスカバリースポーツ) 600mm
上記車両のその他スペックは以下で紹介しています。
プラグインハイブリッド(PHEV)バッテリー容量の比較
EVでも、緊急時に車両が水に浮き、ホイールの外側部分がタービン状となっている事から、多少進む事も可能な設計の車両がありました。但し、発生時にはメーカーのメンテナンスが必須です。水陸両用ではありませんが、24時間浮く事が可能となっています。
FOMM FOMM ONE(フォムワン) 4人乗り小型EV
電気自動車(EV)走行距離の比較
トヨタ
ハイラックス,ハリヤー,RAV4
⇒取説表記「この車両は水深が深い道路を走行できるように設計されていません。」
LEXUS NX350h
⇒取説表記「渡河などの水中走行はしないでください。」
スズキ ジムニー
⇒取説表記「水深30cm以上のところは走行しない。」
ここまでは、車両側の対応について調べましたが、万一、水没させてしまった場合に備えて、緊急脱出ハンマーを車内へ置いていますでしょうか?
写真左:合わせガラス、JISマーク横へ「L」や「LP」、主にフロントガラスで破砕困難。
写真右:強化ガラス、JISマーク横へ「T」や「TP」、主にサイドガラス等で細かく破砕可能。
消費者庁でもアナウンスされていますが、実は緊急脱出用ハンマーでも、合わせガラスや強化ガラスでは割れない、割りにくいなどもあり、調べると傘でも代用となりにくく、最近では、運転席や助手席にも安全性や静粛性メリット等から合わせガラスを使われている車両が増えている様で、この記事を読まれた方は是非ご注意を。
※合わせガラス採用例※
・日産 リーフ、サクラ フロントガラス
アリア バックドアガラス以外は合わせガラス。
・テスラ 新型モデル3(リアクォーターガラス以外)
・トヨタ プリウスの一部グレード。
・トヨタ MIRAI(ミライ) リヤとバックドア以外は合わせガラス。
※トヨタはメーカーのサービスキャンペーンで納車済車両の取説へシール貼付にて緊急脱出ハンマーの利用について情報を告知。
1.マイカーのガラスを割れるのか? 容易に割れるのはどのドアか? 自身で調べるかディーラー等へ聞いて知っておく。
2.大雨の際は、アンダーパスなど冠水可能性のある道路は避ける。
3.水没事故となった場合には、ドアの下半分程度を超える前に(水圧の低いうちに)ドアを開けて脱出か、落ち着いて内外の水圧差を待ってからドアを強い力で開く。
4.エンストに備えて窓を開けて走るか、閉じ込められた場合に備え、運転席ポケット等手の届く範囲へ緊急脱出ハンマーを常備する。
といったところでしょうか。
参考:
国民生活センター
自動車用緊急脱出ハンマーによるガラスの破砕-万が一の水没事故に備えましょう-
国土地理院 重ねるハザードマップ
住所を入力し、「道路防災情報」アイコンを選択する事で道路冠水リスクを事前に知る事が出来ます。