充電口の規格について

ガソリン車やディーゼル車では「給油口」と呼ぶ様に、電気自動車では「充電口」と呼びます。

以下、電気自動車を検討されている方向けへの基本知識として紹介しておりますのでご参考にして頂けたら幸いです。

概ね3~6kW出力の充電口となる「普通充電口」と、道の駅・ディーラーや高速上に設置されている30~90kW超 などの高出力充電器へ接続する「急速充電口」が、車両によりさまざまな違いがあります。

充電口の位置については、ガソリン車では単純に左右程度の差でしたが、電気自動車ではコチラ (電気自動車(EV)各車両の充電口の位置比較)でイラストで紹介していますが、駐車スペースへの充電器の設置位置は、充電ケーブル接続前後の車両や人の動線を含めた検討が必要です。

ある商業施設では、立体駐車場の上り坂部分の進入路上がって合流直後のハイリスクな位置ですが、そこを充電スペースとしていた残念なケースも目にしました。(通常駐車でも皆が避けるであろう場所)

 

全ての国産車や多くの輸入車

日本国内で現状販売されている多くの電気自動車では、

普通充電はタイプ1(SAE J1772)と呼ばれる規格、急速充電はチャデモ(CHAdeMO)規格へ統一されています。

※マツダのシリーズプラグインハイブリッド車(シリーズPHEV)では現状唯一、上記同様に普通とチャデモの充電口があります。

※プラグインハイブリッド車(PHEV)は普通充電口のみ。(旧型プリウスの急速オプション付を除く)

輸入車は日本仕向対応として充電口をチャデモ仕様として販売されていますが、一部車両では日本国内の充電ネットワークの整備状況に合わせ、本国よりも「車両側の急速充電能力を落としている(いた)」現状があります。各輸入車メーカーには今後の自前充電設備の拡充にも期待が掛かります。

(写真左は、日産 アリア 急速充電口:助手席側前方。
写真右は、日産 アリア 普通充電口:運転席側前方)

 

テスラ

テスラ車では独自の(TPC)NACS充電規格である事から、専用の充電設備(スーパーチャージャー)を拡充しており、普通と急速充電口は共用の仕様となっています。またケーブルが細い事から取り回しが容易で、利用時も車両と充電ケーブルを接続するだけと非常に簡単です。

別売で専用のチャデモアダプターも用意されており、アダプターを利用する事で全国のチャデモ対応急速充電器も利用可能です。
テスラ専用充電施設:’23/12時点で全国100施設以上。

(写真は、テスラ モデル3 RWD。助手席側後部テールランプ裏のTPC充電口)

 

フィアット、ABARTH

フィアットでは、CCS1コンボ充電口での輸入販売となっており、普通充電はそのまま外出先でも利用する事が可能ですが、急速充電の利用には専用の充電アダプターの利用が必須である事から外出時には注意が必要です。

(写真は、フィアット。運転席側後部のCOMBO充電口)

 

MINI COOPER,MINI COUNTRYMAN
folofly EV F1 VAN F1V,EV F1 TRUCK F1T

ミニ クーパー、カントリーマン、folofly EV F1 VAN及びEV F1 TRUCKの一部グレードでは、CCS2コンボ充電口での輸入販売となっており、充電時(充電行為そのもので)には専用の充電アダプターの利用が必須である事から外出時には特に注意が必要です。

 

’24/3/5追記
充電アダプターの利用について詳細は、
CHAdeMO協議会のWEBサイト(コチラ )をご覧下さい。
(よくある質問 10. CCSおよびTesla用アダプタの仕様・条件を知りたいのですが?)

急速充電の補足

電気自動車(EV)ユーザーにとっては皆さんご存じの内容ですが、検討中の方向けに頭の片隅に置いて頂きたい情報となります。

1.車両側の急速充電速度の話

・急速充電速度は車両側の受け入れ能力が最大値となります。(車両側が出力に対応していないと、どんなに高出力な急速充電器へ接続しても、車両側の最大値迄となります)

・車両側の充電残量や、充電時のバッテリー温度により充電速度が落ちます。充電残量が80%を超えてくると殆どの電気自動車(EV)では充電速度が落ち、時間当たりの充電効率は落ちます。

・急速充電で80%以上の充電を繰り返すと、長期的にはバッテリーを痛めてしまいます。逆に自宅充電をメインで運用していると10万km走行を超えても、バッテリーの劣化はわずかです。

 

2.急速充電器側の話

・充電ケーブル2本出しのタイプは、CHAdeMO、NACS共に1台充電に対して、2台接続時には充電器側の出力が落ちます。

・輸入車に多い様ですが、一部急速充電器(充電器側のダイナミックコントロール機能との相性問題など)との充電不良があります。遠出の際には事前に予定している経路近辺について、充電設備の情報を軽く確認しておかれる事をお勧めします。

 

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